絶頂期の本田美奈子を襲った病と死因とは?
「本田美奈子」とは?簡単に説明
昭和42年東京都板橋区で生まれた工藤美奈子は、アイドル歌手や女優として多くの人々に愛された本田美奈子. として知られ、1980年代はアイドルとして、1990年代以降は主にミュージカルを中心に活動していました。
2004年に受けた姓名判断により、自身の名前の後に「. 」をつけて改名しており、現在では割と増えてきた名前の後に「. 」を入れる芸名を使用する先駆けとも言われています。
昭和60年に芸能事務所である東芝EMIからアイドル歌手としてデビューし、この年にデビューした中山美穂や南野陽子、斉藤由貴、井森美幸、浅香唯などと並んでアイドル黄金期とも称される時代を支えた一員として知られていました。
平成2年には、ミュージカル「ミス・サイゴン」オーディションを受け、約15,000人という数多くの参加の中からヒロイン役に抜擢され、わずか2年後の第30回ゴールデン・アロー賞では、演劇新人賞を受賞するほどの頭角を現しています。
その後ミュージカルを舞台に活躍を続けますが、平成16年末頃から体調不良が続き、翌年の平成17年1月、急性骨髄性白血病と診断されてしまいます。
そして懸命な治療の甲斐もなく、同年の11月には、38歳という短い人生に終止符を打つことになります。
「本田美奈子」の晩年
本田美奈子は2004年12月に芸名の後に「. 」を付けて「本田美奈子. 」と改名しています。
この時期の美奈子は原因不明の体調不良に悩まされていた時期でもあり、また表情に死相が現れていたという証言も少なくありません。
この改名は、当時人気絶頂だった占い師である細木和子氏の助言によるのものであり、「死相が出ているから地獄に落ちる」などと予言された美奈子は、すぐに助言通りに芸名を変更してしまいます。
しかしながら、改名してからわずか1か月後、急性骨髄性白血病と診断されてしまった美奈子の心中は想像に難くなく、そのまま闘病生活に入っていくことになります。
アイドル歌手から本格的なミュージカル女優に転身し、前例がないほどに成功し大活躍し始めていた彼女ですが、ユニークなスタイルで新境地を切り開いていたにも関わらず、その宿命には逆らえなかったのかもしれません。
「本田美奈子」の死に様
本田美奈子の死因は「白血病」でした。
これは白血病の中でも厄介な部類として知られる「治療抵抗性」のもので、治療の効果が見られなかったり、一時的な効果の後、徐々に再発してしまったりする種類の白血病です。
美奈子は、臍帯血(さいたいけつ)移植を受け、一旦は成功したことで一時退院しましたが、その後再発してしまい、数か月後には再入院することになって抗がん剤治療を開始しています。
臍帯血移植とは、臍帯血の中にある造血幹細胞を、白血病などの重篤な血液疾患患者に移植して、骨髄機能を正常にする治療法のことで、移植後の生存率は30～40%ほどと言われています。
一方で、美奈子は骨髄移植も検討していましたが、自身に合う骨髄提供者がなかなか見つからなかったという事実もあり、臍帯血移植に踏み切ったそうです。
発症率は200万人に1人という難治性の骨髄性白血病を患っていた美奈子の闘病生活は、10日間で1クールの抗がん剤治療を行っていきますが、この治療法は心身共に苦痛が続き、口のなかは口内炎だらけで、痛くて水も飲めない状態を乗り越えなくてはなりません。
これに加えて、並行して実施する放射線治療における照射がさらに彼女に辛い痛みを与え、高熱やひどいだるさにも悩まされ続けます。
その後も入退院を繰り返しながら治療に専念しますが、平成17年11月、38歳という若さでこの世を去っていきます。
「本田美奈子」の小ネタ等
本田美奈子が亡くなる3カ月ほど前、翌日に一時退院を控えていた美奈子は、自分の病室を出て、衰弱している身体をナースステーションに向けて動かし始めます。
そしてナースステーションの前まで辿り着くと、やせ細った弱々しい体に精一杯力を込めて背筋を伸ばし、突如アカペラで歌を歌い始めます。
彼女がナースたちに向けて披露したのは英文歌詞の「アメイジング・グレイス」で、「大いなる神の恵み、なんと甘美な響きだろう」「私のような哀れな者ですら、救って下さった」「道を見失いさまよっていた私を導いて下さった」「以前は闇をさまよっていたが、今の私にはハッキリと見える」などという、世界でもっとも知られている賛美歌を感謝の言葉に代えて披露したのでした。
歌った美奈子自身も涙を浮かべながら歌い上げたこの3分30秒は、ナースたちにとっては忘れられないメッセージになったという素敵な逸話が残されています。
まとめ
本田美奈子は38年間輝き続け、彼女の残した名作の数々は、現在に至るまで数多くの人々を魅了しつづけています。
