伊上勝は、仮面ライダーなど変身ものを数多く手がけた脚本家です。
巷に変身ブームを巻き起こした立役者といっても過言ではありません。
伊上勝の晩年と最期について紹介します。
伊上勝とは?
伊上勝は大学を卒業後に広告代理店に入社しますが、募集していたテレビ・ラジオ用の脚本に応募して入選を果たします。
たった一晩で書き上げたもので、「遊星王子」というテレビドラマとして放送されました。
これが脚本家としてのデビュー作です。
その後は「怪傑ハリマオ」や「隠密剣士」といった作品を手がけました。
その後、フリーランスとなり様々な特撮作品の脚本を執筆し、「仮面ライダー」ではメインライターとして活躍します。
仮面ライダーは変身ブームを巻き起こす等、大ヒットしました。
伊上勝の晩年
伊上勝は仮面ライダーを始めとし、変身ヒーローものの脚本を数多く手がけました。
その作風は勧善懲悪を基本とし、子どもでも分かりやすいストーリーになっているのが特徴です。
また、脚本だけではなく番組の主題歌や挿入歌の作詞も行うことも多くありました。
しかし、ワンパターン化してしまったことに本人は悩んでおり、晩年はスランプに陥ってしまいます。
仕事の依頼はありましたが、本人の筆が遅くなり書けなくなったことで収入は大きく落ち込みました。
書けないことが辛く、次第に酒に溺れていったといいます。
そして、57歳の時に水戸黄門のシナリオを執筆したのを最後に、脚本家を引退しました。
伊上勝の最期
伊上勝は、1991年に肝硬変で亡くなります。
享年60でした。
元々、酒豪として知られお酒は強かったのですが、晩年になるとスランプに陥ったことから酒量が増えました。
過度な飲酒は肝臓に悪影響を及ぼすので、それが死期を早めてしまったと考えられます。
伊上勝をめぐる逸話
伊上勝は、デビュー作をたった一晩で書き上げています。
調子が良い時には筆が速く、数時間で脚本を一本書き上げたこともあったといいます。
しかし、調子が良くない時には締め切りを守らなかったり、姿をくらましてしまう等の一面もありました。
好不調の波が激しかったといわれています。
特撮ヒーローものを非常に得意としていましたが、恋愛ドラマなどは苦手だったといいます。
伊上勝は忍者のイメージを作り上げた人物
伊上勝が手掛けた「隠密剣士」は、隠密として旅をする秋草新太郎が忍者たちと戦いを繰り広げる時代劇です。
忍者ブームを巻き起こしました。
手裏剣を使うなど忍者といって思い浮かぶイメージは、この作品によって広まったものです。
「隠密剣士」は海外でも放送され、人気を集めました。
今でも忍者は世界的に人気を誇っています。
まとめ
伊上勝は「隠密剣士」や「仮面ライダー」などを手掛け、忍者ブームや変身ブームを巻き起こしました。
しかし、晩年はスランプに陥り脚本が書けなくなってしまいます。
そのため酒に溺れるようになり、60歳で肝硬変によって亡くなりました。