無念!サイボーグ009とスカルマンの完結はならず…石森章太郎の晩年と最期を解説。
「石森章太郎」とは?簡単に説明
病弱で外出もままならない姉に見せる為に絵を描いていた少年があれよ、あれよという間に日本を代表する漫画家、ひいてはSF作家となったのが石森章太郎です。
またアニメ、特撮作品の原典を多く手掛けた事で知られ、ウルトラマンと並ぶ国民的ヒーロー『仮面ライダー』戦隊ヒーローの元祖『ゴレンジャー』アニメ『サイボーグ009』ドラマ『HOTEL』などを手掛けました。
有名漫画家を輩出したトキワ荘出身者では最も若く頭角を現した天才とも言われています。
「石森章太郎」の晩年
1992年中に検査の末、悪性リンパ腫であることが判明したものの意欲的に活動を続けます。
KADOKAWA『コミックアルファ』の創刊にあたり、自らの代表作『サイボーグ009』の完結編を自らの手で書きあげることを決めます。
そして『仮面ライダー』の原案とも言われ、自身の思い入れ深い作品として何度か発表している『スカルマン』のコミカライズを島本和彦氏に直接指名依頼。
ライフワークとも言えるサイボーグ009完結編とスカルマンを軸にミレニアムを迎える予定でした。
「石森章太郎」の死に様
5年相対生存率がおよそ66%ほどと悪性リンパ腫は言われますが、治療から5年を迎えた1997年年末から体調が悪化してしまいます。
闘病の末1998年1月28日に東京都文京区の順天堂大学医学部附属順天堂医院で逝去。
享年60。
6年前に患った悪性リンパ腫との闘病生活を経て亡くなっています。
「石森章太郎」の死に様の信憑性
国民的漫画家であり、画業30周年を越えた頃から『マンガ日本の歴史』や『マンガ日本経済入門』等を手掛けるなどジャンルは幅広く、トキワ荘時代の先輩、後輩も既に確固たる地位を築いていたこともあり、数々のエピソードが逝去時には語られることになりました。
「石森章太郎」の小ネタ等
石森章太郎の名前は1984年まででそれ以降は「石ノ森章太郎」名義にクレジットを変えています。
「石森」と書いて誰も“いしのもり”と呼んでくれなかった事、初心に戻る意味を兼ねて変更を行いました。
最晩年で『スカルマン』のコミカライズを指名依頼されることになる島本和彦氏が氏の大ファンであるのは知られています。
島本氏曰く「連載の中途で止めるのも、石ノ森章太郎っぽくていいかな…」と語っています。
これは『サイボーグ009完結編』の前に描かれた『天使編』『神々との闘い編』を軸にしながら執筆を中断。
短編、中編の発表が続いていたことを揶揄しているものと言っていいでしょう。
まとめ
石森章太郎氏は『サイボーグ009完結編』をライフワークとし、98年からはその執筆に着手する予定でした。
しかし92年に患った悪性リンパ腫が原因による心不全め98年初頭に故人になっています。
21冊にも渡る構想ノートで練り上げた009完結編は小説3巻、コミカライズ5巻に纏められ発表されることとなりました。