人類史上、2番目に多く首を切ったとされる「シャルル=アンリ・サンソン」。
パリの死刑執行人を代々務めたサンソン家の4代目当主です。
「シャルル=アンリ・サンソン」とは?簡単に説明
ルイ16世の首を切り落とした人物として名が残る、シャルル=アンリ・サンソン。
代々死刑執行人を世襲する家系に生まれ、自らもその家業に従事します。
最初の執行はわずか16歳の若さだったとされています。
シャルル=アンリ・サンソンが死刑執行人を務めた期間はフランス革命と恐怖政治の時代であり、ルイ16世やマリー・アントワネット、ロベスピエール、シャルロット・コルデーなどの著名な人物の処刑に関わっています。
シャルル=アンリ・サンソン自身は、信心深く、ひどく死刑制度を嫌っており、幾度となく死刑廃止の嘆願書を出しました。
しかし、彼が生きている間にそれは実現することはなく、死刑執行人のまま生涯を終えました。
「シャルル=アンリ・サンソン」の死に様
自らは死刑廃止を望みつつ、しかしその家業からは逃れられなかったシャルル=アンリ・サンソンは、やがてストレスから、耳鳴りや幻覚などに悩まされました。
そんな中でも長年死刑執行人として従事していました。
その後、しばらくして、息子に職を譲り、やっと死刑執行人の職から離れます。
ロベスピエールを処刑した後と言われています。
そして、家で息を引き取り家族によって埋葬された、と言われています。
「シャルル=アンリ・サンソン」の死に様の信憑性
フランス革命から恐怖政治の時代、何人もの政治家や革命家が処刑台に送られました。
しかし、シャルル=アンリ・サンソンを処刑しようという声はなかったと言われています。
そのため、最期はもちろんギロチンではありませんでした。
家業として行っていた仕事は血に塗れたものでしたが、彼の死はいたって普通の静かなものであったと言われています。
「シャルル=アンリ・サンソン」の小ネタ等
シャルル=アンリ・サンソンの孫の代で、サンソン家は処刑人から罷免されます。
孫であるアンリ=クレマン・サンソンは、サンソン家の手記を参考に『サンソン回想録』を執筆し当時のベストセラーになったそうです。
またフランスの死刑廃止は1981年に決まります。
シャルル=アンリ・サンソンの死から150年もたった後でした。
まとめ
シャルル=アンリ・サンソンの最期について、解説しました。
数にして2700人もの首を切り落とした人物でしたが、本人は慈悲深く、死刑廃止を心から望んでいました。
苦しみながら職を全うした彼の最期は少し穏やかなものだったとしたら、少しは報われたというものでしょうか。
