実業家・教育者の「渋沢栄一」とは、どのような歴史上の人物なのでしょうか?
「渋沢栄一」のおおまかな人生の流れを簡単に紹介して、その晩年・死に様について詳しく解説していきます。
「渋沢栄一」とは?簡単に説明
「渋沢栄一(しぶさわえいいち,1840~1931年)」とは、「日本資本主義の父」と呼ばれる官僚・実業家・教育者・財界のまとめ役として活躍した人物です。
1867年(慶応3年)に徳川昭武らと渡欧、当時先端の近代的な経済財政制度・社会制度を学びました。
帰国後の1869年(明治2年)に新政府に大蔵官吏として登用され、「近代日本の財政金融制度の基礎」を確立する役割を果たしました。
1873年(明治6年)に退官してからは、実業界・経営者に転向して「第一国立銀行(現みずほ銀行)・大日本印刷・王子製紙・日本郵船」など、今も残る近代日本の基幹産業を支える会社の設立・運営を支援しました。
渋沢栄一は近代的な経済制度や企業経営に貢献した功績もあり、新一万円札の肖像にも採用されることになりました。
「渋沢栄一」の晩年
「渋沢栄一」の前半生は、日本の資本主義の発展と政府の経済財政制度の構築、重要産業の企業設立に力を尽くすものでした。
渋沢栄一の晩年は、明治42年(1909年)6月6日に実業界を引退した時から始まります。
晩年の渋沢は会社・銀行の経営から退いて、「中国の孫文・米国のウィルソンなどとの民間外交」や「教育・医療・福祉・道徳啓蒙など社会事業」に精力的に取り組むようになりました。
教育・研究の分野も支援して、大正6年(1917年)には科学研究の拠点となる「理化学研究所」の設立にも関わりました。
「論語と算盤」で、道徳と経済を合一すべきとする思想を社会事業で実践したのです。
「渋沢栄一」の死に様
「渋沢栄一」の死に様は、日本の経済・金融・企業・社会・学校などのため、90歳を超えるまで全身全霊を尽くして寄与した渋沢が、燃え尽きるかのように大腸の病気と高齢の衰えで亡くなるというものでした。
昭和6年(1931年)11月11日に、渋沢栄一は静かにこの世を去りました。
数ヶ月前から調子が悪かった「大腸狭窄症」の悪化および飛鳥山邸での開腹手術(10月)も影響していたと推測されますが、91歳の年齢もあり基本的には老衰・生命力の低下が死因のベースになっていたでしょう。
渋沢栄一死去の一報が流れると、渋沢にそれまでお世話になった大勢の弔問客が途切れることなく訪れたといいます。
天皇の勅使および皇后・皇太后の使者までやってきて、渋沢がどれだけ近代日本の経済・社会に貢献し続けたのかが分かります。
11月15日に、大勢の参列者に見守られる中、青山葬儀場で葬儀が行われました。
「渋沢栄一」の死に様の信憑性
「渋沢栄一」は昭和期に亡くなった人物で、正確な死亡日も記録として残されているため、その死に様の信憑性は高いと言えます。
特定の病名で死去したとはされておらず、大腸狭窄症の影響があったとはいえ、昭和6年(1931年)11月11日に高齢・老衰を前提とする心不全で息を引き取ったのでしょう。
まとめ
「渋沢栄一」の大まかな人生のなりゆきと晩年・死に様について分かりやすく解説しましたがいかがでしたか?
「渋沢栄一」は、大腸狭窄症の悪化と91歳の高齢による老衰によって、政財界の大勢の人たちに惜しまれるかたちで亡くなりました。
「渋沢栄一」の死に様について詳しくリサーチしたいときは、この記事の解説を参考にしてみてください。
